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あ行 阿(あ) 口云(うん)と共に行動し、無音を喰う蟲のこと。殻は左巻き。数が少なく、珍しい。口云と違い静寂を貪るので、寄生されると人は色んな音が聞こえてしまい近くの物音を判別できなくなる。寄生された人間はこの音のために衰弱死する恐れがある。 雨降らし(あめふらし) 普段は水滴のような姿で空中を漂っている。水分を集めると雨として降り、地表で蒸発する水分と一緒に再び昇っていくことを繰り返す。日照りなどで乾燥すると地表で逃げ水のような形態をとる。触れると憑く、”ナガレモノ”の一種。 生き神の原因となった蟲(いきがみのげんいんとなったむし) 名称未詳。あこやが”生き神”となった原因の蟲。一日で一生を終えては子孫を残していく。ヒルガオに多く寄生していたが、動物に寄生するほうがよく繁殖できるらしい。寄生した動物に自らの体内時間を同調させる。 生き沼(いきぬま) 地中に潜ったり浮いたりしながら山などを移動する沼のこと。正体はじきに寿命をむかえる水蠱(すいこ)の群れ。地下水路を通り、最終的には海に出て死をむかえる。 井星(いせい) 光脈の流れがぶつかりあう土地の井戸に稀に現れる光。光脈が遠ざかると光も少なくなっていく。ヒトが多くの井星に触れるとあちらの世界に引き込まれてしまう。 石笛(いのぶえ) 蟲師が蟲を呼び寄せるのに用いる笛。呼蟲(よびこ)が穴を開けた岩を利用してつくる。 夢野間(いめののあわい) 夢を棲みかとし、宿主の夢を現実に伝染させる媒体となる蟲。増えれば増えるほどその伝染力を増し、より多くの夢を現実に再現させる。蟲本体は日に弱く晒せば消えるほどのものである。枕に寄生する。成体は鳥が群れて飛んでいるようにみえる。 雨蟲(うこ) 雨に紛れ、雨水ごと一緒に移動しながら生きる蟲。肉眼では視えないほど小さいが、雨とともに川に流れると集団で巨大魚のような形をとって繁殖地の海までいく。川で取り残された雨蟲は大概山椒魚に寄生するが、溺れて仮死状態になったヒトに寄生することがある。寄生されたヒトは生き返るが、低体温になり水を求めるといった影響を受け、最終的には雨蟲と同化する。 空吹き(うそぶき) 冬に特殊な匂いを撒き、動植物を活動させその精気を糧としている蟲。”春まがい”を引き起こす原因。冬には蝶の姿だが、春になると花のようになり、それから次の羽化のために蛹になる。 産土(うぶすな) どんな地域にもいる泥状の蟲。土地によって固有のものがおり、地表に出ると煙状になる。元いた土地以外では生きていけないので、仲間と同じ匂いのものに集まる習性がある。土や植物に宿り、それらを介して動物やヒトにも宿る。 ウロ(うろ) 現世に風穴をあけてまわる蟲。一見すると空の玉繭の中におり、虚穴の外には長くいられない。密室をみつけると虚穴に通ずる道を開ける。この性質を利用して、蟲師は通信手段を得ている。 口云 (うん) ※本来この二文字は一文字を表す 普段は森に生息している、音を喰う蟲のこと。殻は右巻き。カタツムリのような外見で、餓える雪の季節になると里の人間の耳に寄生することがある。塩を嫌う。 液状の蟲(えきじょうのむし) 名称不詳。目玉に寄生する蟲。スイの眼のマナコノヤミムシを取り除く際、月の光におびき寄せられて外に出てきた。これを採取し注入すると、ガラス玉でも眼球として機能させることができる。 大禍時(おおまがどき) 夕暮れ時に現世に現れるといわれる蟲。普段は別の世界に存在する。これに呑まれたヒトは、夕暮れ時に影だけの状態で現世に姿を現す。その影に踏まれたり踏んだりすると、入れ替わってしまうとされる。 棘の道(おどろのみち) 地から湧き出る蟲たちの通り道。蟲の世界と人間などがいる世界の狭間にある。とある棘の道では薬袋一族が据えた庵があり、蟲を追う為に一族の者のたましいを抜いて、光酒で人工的につくった蟲を代わりに入れる作業が秘密裏に行われている。 鬼蠱(おにこ) ヒトと蟲との合いの子を指す言葉。蟲師の間で使われる。”まざりモノ”のこと。 颪笛(おろしぶえ) 冬の雪山にいる蟲。風の吹くような音をたてる。春の兆しがあると北に帰っていく。 か行 貝の唄(かいのうた) ヤドカリドリという蟲の鳴き声のこと。これを間近に聞いたヒトは声の出し方を忘れてしまう。 廻ろう(かいろう) 漆黒の筒状の蟲。花の香りのような匂いを出して獣やヒトをおびよせ、そのモノの時間を円環状に歪めるといわれる。 舟少 (かいろぎ) ※本来この二文字は一文字を表す 妖質の豊かなヒトの意識に棲む蟲。宿主に同調し、水脈(みお)を通って思う相手に意思を届ける。しかしこれを使い続けると舟少は自身の意思で動き始め、いずれヒトの意識は戻らなくなる。 陰魂(かげだま) 動物の耳から脳にはいりこみ、記憶を喰う蟲。半透明の黒い幕状の姿をしており、木の影に潜む。入り込まれた宿主はほとんど睡眠をとらなくなり、記憶を十分に喰うと分裂して外に出、増殖していく。 陰火(かげひ) ヒダネという蟲がまとっている本物の火のような姿のものを指す。暖をとりにきたヒトの体温を少しずつ奪っていく。寒くない日は入れ物の中に身を潜めている。幼体は草のような形状をしており、群生して毒を出す。十分な熱を吸い取った陰火は寿命がきた後、骸から芽を出すようになっている。 狩房文庫(かりぶさぶんこ) 狩房家の”筆記者”が代々蟲を屠る話を書き連ねてきた巻物が、大量に保存してある書庫。蟲師は、蟲退治の話と引き換えに閲覧が可能。 寒天状(かんてんじょう) 水蠱との同化が進むと、体の色が失われこの状態になる。化野いわく、この一段階下は”白玉状”。 眼福(がんぷく) 非常に珍しい蟲で、人が見ると目が良くなるといわれている。実際、生き物の眼に寄生し、その者の視力をあげるが、時間が経つと遠い地の景色や過去や未来の物事まで視れるようになり、最終的には宿主を捨てる。 核喰蟲(きねくいむし) たましいを喰う蟲。棘の道に棲む。 禁種の蟲(きんしゅのむし)(筆の海) その昔、大天災の折に現れた異質の蟲。命あるもの全てを消さんとしたため、薬袋一族の蟲師の手によって、狩房家の女性の身体に封じられた。 銀蠱(ぎんこ) トコヤミと共生し、明け方には銀色に輝きを放つ蟲。この光を浴び続けると生き物はトコヤミと化す。作中では山椒魚と鯰の中間のような姿で描かれている。ちなみに、ぬいがつけただけで、正式名称ではない。 クチナワ(くちなわ) 別名”ヌシ喰いの蟲”。元いたヌシを喰い、かわりにそこのヌシとなる蟲。大蛇の姿をしていて鳴き声は鐘の音によく似ている。クチナワに喰われると、その場に立ち会った者以外の記憶から消える。 雲喰み(くもはみ) 空気中の水や氷を食い、雪や霰などを降らす蟲。視える者には入道雲の姿にうつる。移動手段をもたないので、雲や風がなくなると地表におりて自らを凍らせ、仮死状態になる。 講(こう) 蟲師とワタリたちが会し、光脈から光酒を供給するなどを目的とした集まりのこと。多くの蟲師が寄る為、色んな取引が行われる。 光酒(こうき) 普段は真の闇の底で光脈を形成している生き物のこと。異質な光で輝いている。蟲師は仕事道具として使う。高い技術をもってすれば、偽物を醸造することも可能である。 虹蛇(こうだ) 見た目は虹のような蟲。雨上がりによく見られるが、自然現象の虹と違い、太陽の位置等の条件が揃わずとも現れる。普通の虹とは色の並び方が逆で、地面から生えるように現れる。”ナガレモノ”の一種。 光脈(こうみゃく) 世界に生命が生まれた時から流れているもの。真の闇の中で流れているので、普通の状態の人間には見えない。光酒のもととなる生き物たちが形成している。 光脈筋(こうみゃくすじ) 光脈が流れている地域のことを指す。光脈筋はそこに存在する全ての生き物に著しい生命力を与えるので、その地域の動植物はとても繁栄する。しかし、光脈筋がずれて遠ざかってしまうと恩恵はなくなり、通常その土地は涸渇する。 木霊(こだま) 泡状の姿をしていて、木に宿ると宿主に長寿と生命力を与える蟲。動物に取り込まれても美しさを与えるが、五感のいずれかを麻痺させる。 さ行 サエズリガイ(さえずりがい) ヤドカリガイの別称。凶兆があると貝に身を隠す。 覚木(さとりぎ) 木に宿り養分を得る蟲。宿主本体の危険を察知すると赤い花から実へと姿を変え、それを食べた獣などの体内ですごす。宿った木の記憶を持って出る。 猩々髭(しょうじょうひげ) 光酒を好み、巣に持ち帰る習性をもつ蟲。赤黒い毛のような姿をしている。蟲師が”講”の案内によく使う。 招雷子(しょうらいし) 上空を漂い、雷を喰っている蟲。落雷の際に幼生のものが地表に落ちることがあり、手ごろな木のくぼみやヒトの臍に逃げ込む。宿主の中から雷を呼び己に落とすことで生き延び、羽化の時を待つ。幼生にほとんど雷は喰われる為、宿主は即死しないが何度も落雷にあうと死ぬことがある。 水蠱(すいこ) 古い水脈の水を棲みかとする、見た目は水とまったく変わらない蟲。ヒトがこれを体内に取り込みすぎると、喉がしきりに渇いたり、水に触れないと息ができなくなり、次第に体が透けていく。放置すると最終的にそのヒトごと液状に流れ出してしまう。”生き沼”の正体。 吸蜜糖(すいみつとう) 酵母菌のように糖を喰い、酒にする蟲。光酒偽造の原料とされているが、高い技術がないと醸造は不可能。 紙魚(しみ) 紙に卵を産みつけ、紙を喰う蟲。淡幽(たんゆう)が愛玩している。 た行 乳潮(ちしお) 甘い匂いを発し産後間もない動物を呼び寄せ、それに寄生する蟲。母親の体液を乳に変えそれを養分にする他、宿主が成長すると周りの植物の発育を促す匂いを出し、宿主に絶えず養分をとらせる。宿主が力尽きると、体外にでて新しい宿主をおびき寄せる。 天辺草(てんぺんぐさ) 光脈筋の上空を飛びながら小さな蟲を喰って生きている、風船に尾をつけたような姿をした蟲。光を帯びた蟲を喰うので、時に蛇行する星のように人の目にうつることがある。別名”迷い星”。餌に不足すると、糸のような触手を地上に垂らし餌となるものを探す。これに触れた動物は空高くに巻き上げられるが、飲み込めないのでそのまま放り出され、そのまま落ちて死ぬことが多い。 トコヤミ(とこやみ) 昼間は茂ったところなどでじっとしており、夜になると他の小さな蟲をくらう”常の闇”のような蟲。ヒトがトコヤミにのまれると、道が分からなくなり、自分の名前や過去さえ思い出せなくなる。銀蠱(ぎんこ)と共生している。 常雪蟲(とこゆきむし) 雪蟲の一種で、動物の個体に群れで取り付き、皮膚から徐々に体温を奪っていく。取り付かれたものの周りは雪が降っているように見える。 とりかぜ 海で飛びながら暮らしている蟲。鳥のような姿をしているが、ムカデの顎のような嘴がある。石笛(いのぶえ)やそれに良く似た口笛に反応する。呼蟲(よびこ)が好物。 な行 ナガレモノ(ながれもの) 命を持っていながら、自然現象そのものに近しい存在(蟲)の総称。ヒトが触れると憑く。 ナラズの実(ならずのみ) 光脈の一部を封じ込めた実。土に埋めると一年限りの豊穣をその土地にもたらすが、引き換えに恩恵にあずかった生命体をひとつ奪っていく。ちなみに、生命の均衡を崩す可能性があるので、蟲師の間では暗黙の了解としてこのようなことは禁じられている。 ニセカズラ(にせかずら) 通常、木の上で生活している蔓のような蟲。引っ張る方向によって強度が違う。日の光が足りず山を移動しなければならない環境におかれると、生物の体をのっとって集まり、群れて谷を”渡る”ことで目的を達成しようとする。 ヌシ(ぬし) 光脈筋がある地域に必ずいる動物のこと。目印として体に特殊な草が生える。光脈筋は放置すると生命力を土地に注ぎすぎるため、ヌシは力の均衡を破らないように抑制し、異変を監視する任を負う。ヒトでも特殊な術をはることでヌシになることは出来るが、かかる負担は大きい。ヌシが不在の光脈筋は生命力の制御を失い荒れる。 ヌシ(ぬし)(ムジカのいた山のヌシ) 美しい老猪だった。ムジカをヌシにするため、朔が毒を用いて獲ってしまった。その後、ムジカを喰ったクチナワがヌシになった。 ヌシ(ぬし)(沢のいた山のヌシ) 滝つぼに棲む巨大な鯰。光脈がずれたため、山が噴火した後に沢が見に行ったときにはヌシの証がなくなっていた。 ヌシ(ぬし)(ギンコが閉じ込められた山のヌシ) 亀の姿をしたヌシ。ギンコが山に入る前に嵐にあい、生き物たちを光脈近くで癒していた。弱った颪笛たちのために光酒が必要だったらしく、ギンコが山に入ると一時的に山を閉じた。 ヌシ(ぬし)(スグロがいた山のヌシ) カモシカのような陰で描かれていた。蟲を寄せる体質のギンコが山に入ると、彼を警戒したのか常に監視していた。ギンコの滞在中に寿命がつき、光脈へと消えていった。 ヌシ(ぬし)(葦朗がいた山のヌシ) カヤを参照。 は行 膝につく蟲(ひざにつくむし) 名称不詳。ヒトの膝にとりつき、表面に痣をつくる。つかれると足が悪くなる。 ヒダネ(ひだね) 陰火(かげひ)の中にいる蟲の名称。 腐酒(ふき) 光酒(こうき)が腐れてしまったもの。蟲に成れなかったものが赤い泥状のものとなり、果実酒のような匂いを発する。動物の体内の血液に混ざると命を得る。高い毒性を持つが、耐性のある者には特殊な力を与え、遺伝する。この耐性を持つヒトは掌に目玉のような痣が現れる。 ふたつめの瞼(ふたつめのまぶた) 光脈が流れる”真の闇”を視る為に閉じる、もう一枚の瞼のこと。あまり長時間閉じていると、闇に眼の方が喰われてしまう。 蛇の群れ(へびのむれ) 名称不詳。みちひを”もや”の中に取り込み帰れなくした蟲。見た目は蛇に似ている。もやを出しながら外界を巡るものと、山奥にひっそり暮らすものと二種類いる。時がくるとこれらは沖で合流し、その千日後、近海でひとつの蟲になる。 ま行 間借り竹(まがりだけ) 竹の根に寄生し、そこから養分を得て育つ蟲。竹林を広げる事で子孫を増やす方法をとる。 まざりモノ ヒトと蟲との合いの子を指す言葉。蟲師の間で使われる。”鬼蠱(おにこ)”と同義。 迷い星(まよいぼし) 天辺草(てんぺんぐさ)の別称。普段は光脈筋の上空を飛んでいる。 水脈(みお) ヒトとヒトの意識の間に存在する通路のこと。 水鏡(みずかがみ) 波の無い池に棲む蟲。水面に動物やヒトがくるとその姿を真似て模り陸にあがる。もとは水銀のような姿をしており、自らは移動手段をもたないためこの習性を持つ。姿を真似られると水鏡にずっと後をつけられ、体力を奪われていく。最終的にとってかわられるが、その際に実体を現した水鏡を何かに映せば防ぐことができる。 ムグラ(むぐら) 山に棲む蟲で、山の神経のようなもの。蟲師ならば意識を潜らせ、ムグラノリをすることで山の様子をみることができる。これを体内に飼い、昼夜常にムグラノリしている状態に耐えることができれば、人間もヌシになりうる。 ムグラノリ(むぐらのり) ムグラに意識を潜らせてその山の様子を探ることをいう。 骸草(むくろそう) 動物の死骸を骨まで分解し、泥状にする蟲。生物などが踏んでこの泥が付着することで子株を広げる。ヒトについたものは薬で、草全体には塩を振りかけると消える。通常、ヒトが泥を踏む事で足に芽吹くことはあるが育たない。が、死臭が染み込んでいると生体でも育つ。 蟲(むし) 昆虫や爬虫類とは一線をひく生命体のこと。人間が語る”生”と”死”の狭間に存在する。外見的には様々な分類群のプランクトンに酷似しているものが多い。ヒトを含む他の生物や雪の結晶などに擬態するものもみられる。ひどく原始的なもの達で、それ故に彼らが視える人と視えない人がいる。 蟲師(むしし) 蟲(むし)をよく知り、対処法を熟知してそれを生業としている人間のこと。専用の道具や薬を入れた木の箱を背に負っている。知名度は地域によってまちまち。 蟲煙草(むしたばこ) 使うと、煙状の蟲を生ずる。蟲をみつけると巻きついて離れなくなるが、すぐ消える。蟲避けの方法のひとつで、この為、蟲を寄せる体質のギンコは常に蟲煙草を咥えている。 蟲の宴(むしのうたげ) 蟲がヒトに擬態し、宴に客を招く現象のこと。蟲に渡される盃の酒を飲み干すと、ヒトは蟲になるとされる。 蟲ピン(むしぴん) 蟲師が使う道具のひとつ。蟲を刺すことが可能で、ギンコはこれで”陰火”を捕らえていた。 マナコノヤミムシ(まなこのやみむし) 人の眼に寄生する。闇を通して繁殖するため、同じ闇を長く共有すると伝染ることがある。寄生された人間は光を視るとひどく痛がる。 緑の盃(みどりのさかずき) ”蟲の宴”で使用された盃。光酒を抽出することができる特殊なもの。ギンコが化野に売りつけていた。 や行 野錆(やさび) 生き物の死骸につき、分解する蟲。本来なら生きているものに害は無いが、餌となるものがないと生きているものにまでつき、身体の自由を奪ってしまう。潮気を嫌う。 ヤドカリドリ(やどかりどり) 海上を飛びまわりながら藻くずなどを餌にしている蟲。海の異変を察知すると、海岸の貝殻の中に避難して災害が過ぎ去るのを待つ。 雪団子蟲(ゆきだんごむし) 雪蟲の一種で、雪上を転がり雪玉をつくりながら移動する蟲。雪玉が大ぶりになると木にぶつかって身を軽くしようとする。この衝撃で雪崩がおこることもある。木がないと、人間にぶつかろうと追ってくる。 雪ならし(ゆきならし) 雪蟲の一種で、動物の足跡に棲みつき、多くなると短時間で足跡を消してしまう。 雪蟲(ゆきむし) 時折本物の雪に紛れている、雪の結晶のような姿をした蟲の総称。 妖質(ようしつ) ギンコによると、五感で感知しにくいものを感じる時補っているもののこと。蟲を視ることを可能にしている感覚のこと。どの人間も妖質を持っているが、使う必要がないので眠らせている場合が多い。 呼蟲(よびこ) 海辺の岩などに穴を開け、そこに棲む蟲。黒い蛇のような姿をしている。穴に風が吹き込んで生じる音を聞いて集まり、繁殖する。多く集まると体の弱い人にとって毒となる。 ら行 竜宮にいた蟲(りゅうぐうにいたむし) 名称未詳。ギンコによると、生物の生きた時間を喰って暮らしている蟲。海底に棲み、餌にした生物の体は後に胚の状態に戻して海面にかえす。この蟲が、イサナたちがいる島で”生みなおし”を可能にさせていた。 わ行 綿吐(わたはき) 身篭っている人間に寄生し、胎児にとってかわってヒトから生まれ、軒の下などに棲みつく蟲。通常は緑色の綿みたいな姿で漂っている。産まれた一年後から”人茸(ひとたけ)”を人間のもとに送り込み、養分を摂取する。 ワタヒコ(わたひこ) 綿吐(わたはき)がつくりだした人茸。蟲と知らない両親にこの名を与えられ、育てられていた。本来産まれる筈だった赤子の姿を象る。 ワタリ(わたり) 各地を転々としながら、蟲師専門の情報屋をやっている人々のこと。ワタリの集まりには大概血の繋がりがなく、蟲の為に一所におれなくなった者たちが生きていくために小さな集団で生活している。 |